死を生きた人びと 小堀 鷗一郎
気がつけば、約2ヶ月ぶりの更新です。^^;
このブログも下書きだけして、途中で止まっていました。
今回は久しぶりに備忘録としての読書記録です。
「死を生きた人びと」みすず書房
著者は、小堀鷗一郎さん
外科医として約40年勤務。定年退職後に在宅診療に携わり、タイトルにあるように看取りにかかわり、現在訪問診療医。
祖父があの森鷗外とのこと。
著者が関わった症例と現代医療の問題点を図表などのデータを用いて、詳細に解説、指摘しています。
2018年5月発行の新刊本です。
特に印象に残ったこと。
・在宅医療、在宅死の経済的側面
病院医療に比べて在宅医療にかかる経費は、圧倒的に少ない。
・死を書いた小説を引用している。
・一般医師は在宅医療を知らない。
医師国家試験のなかに、在宅医療と介護に関する出題は、500問中1題にも満たない。(平成25年)
・老いることに抗う「抗加齢医学」いわゆるアンチエイジングや介護予防についても違和感を覚えると書いている。
・俳句を詠む患者さんの話
・「看取るのは家族」
・「病死」であるべき死が「検案事例(非犯罪死体)」となる例
・日本は「生かす医療」はトップであるが、「死なせる医療」は大きく立ち遅れている。
・在宅死なき在宅医療
延命治療について、具体的に何の処置にいくらかかるかということも書いてある。
・在宅療養支援診療所のこと
・現場からの提言
・国会審議の内容などなど
私は今17歳の次男がお腹にいた時に祖母の在宅看取りをしましたが、この本を読んで、それって一般的ではなかったのだと思いました。
たまたま
・私が看護師だったこと
・当時は専業主婦だったこと
・兄と父がいたこと(母はこの時すでに病気だった…)
・在宅医がいたこと
・介護保険を利用していたこと
などいろんな条件が重なってできたのだと改めて思いました。
祖母が苦労して建てた家に戻ってこれて最期を孫(兄と私)とひ孫(私の長男幼稚園児)と一緒の部屋で、幼い時のように祖母をはさんで数日過ごした翌日静かに息を引き取ったのです。
私が看護師になったのは、このためだったのだとその時思いました。
これから超高齢社会を迎える日本は、はたして政府がすすめたい在宅看取りがどこまでできるのだろうか。
と考えさせられる本でもありました。
久しぶり投稿、読んでくださってありがとうございました。😊